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歓喜天講式の紹介 


  『歓喜天講式』は、真義真言宗の開祖である覚鑁上人により、
 著された講式です。
 講式とは、神仏の功徳と効験を独特の節を付けて讃嘆する
 仏教的讃美歌の一種です。
 覚鑁上人の歓喜天講式は、歓喜双身天の中でも、一般的に
 信じられている支持者の多い説を唱えられており、 男天は、
 大自在天(シバ神)の所変、女天(観音菩薩)の応化である
 十一面観音の化身であるとの説になります。
 日本で、歓喜双身天といえば、概ね、この形態を指します。

 宗派や各流派の説により尊像と祭儀は微妙に異なります。
 例えば、弘法大師入唐前から相伝されていた婆羅門神道の
 流れを組む両部神道等では、男天を大自在天(シバ神)の所変、
 女天は烏摩妃(パ-ルバティ-)の所変としています。
 又、男天は、不動明王の応化、女天が観音菩薩の応化との
 説もあり、それぞれの説により、祭り方も異なっています。
 一例として、真言律宗の菩薩流では、浴油供は行いません。
 安祥寺流の新安流では、歓喜天の祭祀を禁じています。
 分かり易い例は、妙法蓮華経観世音菩薩普門本第二十五を
 拠り所とすれば、大自在天(シバ神)も観音菩薩の方便なので、
 読経の法施を最勝とします。
 
  歓喜天講式の内容は、初めに、歓喜天二尊の本地(性質)を
 説き、次に、垂迹の化導(衆生を導く方法)を称賛し、三段目に、
 歓喜天が仏教に帰依した時に立てた誓願の素晴らしさを
 紹介して、四段目には、歓喜天が衆生を導く利益を述べ、
 五段目に、歓喜天への加護を願います。
 読み下し文をご覧いただければ、概ね、理解して頂けると
 思いますが、勤行の時などには、読み下し文を唱えます。
 
  現在、入手可能な歓喜天講式の読み下しの経本は、
 宝山寺本院版しかありませんが、『興教大師撰述集』にも、
 読み下し文が掲載されているので、これを参考にしながら、
 白文を訓読して読み下して行くのも良い勉強になります。
 この時の留意点は、返り点や送り仮名の付け方のより、
 意味合いが変わってくるので、それも、一つの説としながら、
 解読を進めて戴きたいと思います。
 他説が正しいとは言い切れないのが、学問の奥深さとも、
 覚鑁上人の説の魅力とも言えます。

 下図の宝山寺八王子分院第三版では、現代漢字の白文と
 訓読文を載せ、旧漢字を使いながら読み下し文を付け、
 覚鑁上人相伝の口伝と醍醐寺口伝を朱書きにして記しました。
 底本は、『興教大師全集』と善通寺の御厚情で戴いた写本の
 コピ-を比較しながら併用しています。
 宝山寺本院版は異論も多く、参考文献として使いましたが、
 諸本と異なる点は、元説からの相伝による相違点であり、
 誤記載、誤字の類ではありません。
 尚、当院の相伝は、醍醐寺成身院の齊藤明道先生が伝授
 阿闍梨を務めてくださいました。 
 第二版までの監修は、富岡八幡宮の宮司と私が、それぞれ、
 務めていますが、中国文として、日本語訳の編集を鄧麗君師
 (テレサ・テン)も担当して下さり、充実した内容でした。
 この度の加筆により、一層の便宜が図れたものと思います。

     図1、当院 歓喜天講式 第三版
    
       興教大師覚鑁上人御作


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